BACCANO!

シリーズの一番最初のを読んだ。以前読んだ ( http://d.hatena.ne.jp/janus_wel/20080409/1207749980 ) のはシリーズの 2 〜 3 巻にあたるもので、その後買って読んだのはどうやら 4 巻らしい。最初全然気づかなかったというか、アニメで見かけたものの原作で読んでないシーンあるなぁと思ったくらいで。各巻ほぼ独立してるから飛ばしても不具合がないというだけのことだったんだけど、ガンドール三兄弟の描写でなんか少し前の出来事ぽく描かれてたところがあったので「アレ ? 」とおもって調べてみたら一番最初の巻を飛ばしていたという。というか本屋行っても見かけなかったのでそれだけ人気があるということなのかも。

で、成田氏の群像劇は大好きなんだけどいろいろ考えてみてやっぱすげーなぁと思ったというか。人物描写は必要のあるところのみを徹底的に行うとか、場所と人物を用意してはいどうぞみたいな感じで動かしてるとかすごい基本に忠実だと思うんだけど、そのシミュレート精度が半端ないところがすごいと思った点そのいち。もうひとつが伏線の消化をちゃんとやってるっていうことなんだけどこれたぶん一回組み立ててから微調整とかしてるんだと思うんだけど、仕込む場所と発火させる場所がけっこう絶妙な上に同時に発火したり連鎖したり遠隔地に飛んだりとかなり練られてるんだよね。ピタゴラスイッチみたいな。ここらへんは読んでておもしろいし、頭の中で各人物を動かしていっても矛盾がないのですげーなぁと思った。

てかおれ的には群像劇って event driven な architecture 上で object が複雑に絡み合ってるイメージなんだけど、成田氏の場合そういうイメージが普通に出てくるくらい自然に複雑な系を組み立ててる感じがする。で、どうも engineer っぽいなーと思って調べてみたら理学部卒のひとらしいのでそんなに遠からずではない ? のかな ? -> wikipedia:成田良悟。ここらへん関連するのは赤松健氏だと思うんだけど ( ネギま ! は物語もビジネスモデルも工学的だよねっていうハナシをしてた記憶がある ) 、群像劇というと筆頭にあがるであろう富野由悠季氏は別にそういう畑のひとではないみたいなんだよな。まぁたしかにガンダムは event や message の連鎖というより感情の連鎖だしな…。ってどっちも一緒なはずなんだけどなーあれー ? ここらへん掘っていくと作品へのアプローチとか工学的とは何かとか商品の作り方みたいなあんまりおもしろくなさそうな方向に発展しそう。

あとライトノベルってのにちょっと慣れてきた。って慣れるものなのか知らんけど。いろいろ手を出そうかと思ってる。