職業としての政治

薄かったのでさらっと読めるかと思ったんだけどダメだった。講演の内容をおこしたものみたいなんだけど章分けナシで延々としゃべっていて何を言いたいのかわかりづらい。これ本にまとめるときにもう少しなんとかすべきだったんじゃないかというのとあと日本語訳も関係代名詞ぽいところを罫線でつなげて記述してたりして読みにくい以外の何ものでもなかった。あと footnote とか noise でしかないからやめれというのは web に慣れているからか。

まず Max Weber の人となりというか、演説内で「必ず」だとか「すべての」だとかいう表現が頻繁に出てくるんだけどこの時点でダメっぽい雰囲気がする。断定的な口調で描かれているのはいいというか何かを主張する際の礼儀でもあると思うんだけどいくらある事柄に詳しくても「絶対」とかいう言葉を使うやつには注意すべき。

それと言葉の説明とか定義をしてる場面がけっこうあるんだけどここでいろいろと例を挙げまくっていてそれが原因で逆にわかりづらくなってたりする。これドイツのひとだからこうしゃべるのかこのひとのしゃべり方がこうなのか知らないけど多分「今北産業」とか言ったらジョッキで頭かち割られそうな雰囲気のひと ( http://en.wikipedia.org/wiki/Max_Weber ) なんだよな。

ただまぁこの本て半年 ROM らないとわからないほどの主張でもなくて要は「諦めたらそこで試合終了ですよ」ということを歴史の講義を交えつつ長ったらしく語っているだけなんだよな。

というようなあたりをつかんだ上でこのひとの生まれた時代も加味するとまだ文脈すらできてない状況で何かを言いたい場合には自分で文脈から作らないといけないのでハナシが長くなるのはわかるんだけど、わかるんだけどー、というあたり。大衆受けしないけどこのひとの訴求対象を考えたらこれくらいがちょうどいいのかもしれない。

最後に、講演は club のようなものでもあるんだろうからこのひとのようにすべてを一気に疾風怒濤にしゃべるのも十分アリだと思うんだけど本にしたときにその雰囲気まで再現できるわけではないのでやっぱり編集者がダメなんじゃねぇかという結論。