狼と香辛料 II

読んだ。なんか期待するモノと違ってたんだけど、おれがこの小説に期待しているものは他愛もない雑談感というか、主人公ふたりが荷馬車に揺られながら延々と経済そのほかについて語るという場面なのでそもそもそれがおかしい気がする。この巻にもそういうシーンはあるんだけど前巻よりも少なかったからかちょっとがっかりというか。

この巻の構成というのかあらすじというのかは知らないけど露骨すぎて拍子抜けというか、予定調和至上主義的な何かを感じてしまった。構成は強引すぎるというかストレートすぎるというかわかりやすすぎて興ざめしたというか。 object の生成タイミングとかに通ずる論理くささがあってちょっとアレだった。予定調和は別にキライなわけではないと思うので ( 今やってるアニメで最たる予定調和の例であるゴルゴ 13 やラオウ伝は普通にみれている ) おれの期待とこの小説の展開の乖離が原因なのかなぁと思う。そもそもおれはこの小説に対して予定調和的な展開を期待していなかったのでそこで思ったよりもつまらなく感じているのかも。

予定調和はそもそもラクというか安心して臨めるというか励起されるものが少ないので余計なエネルギーを使わなくていいはずなんだけど、最初から結果がわかっているものでないと展開予測をしたり登場人物のタイムラインを描いたりしてしまうので結局エネルギーを使ってしまう。あとその予測が自分の望むものでないと失望しがち ( その物語と自分の予測のどちらが優れているかとかは関係ないはず。予測には通常願望が含まれているので予測通りに展開しないこと自体が失望をうむ ) なのでその物語が予定調和的であるかわかっているか否かというのはけっこう重要なことなのかもと思った。

あと前巻でも似たような描写があったと思うんだけど切り札は絶対に使わないと言いながらさっさと切っちゃっているのがんー、という気分にさせた。経済がテーマのひとつだから現実離れしたものがより浮いてしまうとかあるのかもしれない。そもそも light novel だから軽く読んで軽く流すべきなのかとは思うけども。

とりあえず高校生の恋愛的なハートフルボッコな内容は今回もあって、それは予想の範囲内 ( もんどりうつこともなくなった ) で楽しめるようにはなったので今後はそれを期待して読むかもしれない。ただ、気恥ずかしさ分はこの巻のおかげで足りたのですぐに次の巻に手を付けることはないと思う。そしてそのままおれの選択肢から消えることもあるかもしれない。まぁそこは巡り合わせの問題よな。