Final Fantasy II

前作終了 ( http://d.hatena.ne.jp/janus_wel/20100208/1265645186 ) 直後からはじめてかなり前に終わっていたんだけどとりあえず書く気になったので書いておく方向で。やったのは Play Station 版 remake で PlayStation Network 経由で購入した。これも難易度が若干下がっているとはいえ original からそんなに変化したものではないらしく ( wikipedia:ファイナルファンタジーII ) うれしい限り。

でまぁ、 Romancing SaGa 好きなおれがこういうのがキライなわけがないわけで。使った技能の level があがるというのはわかりやすい design だし「あたらなければどうと言うことはない」を地でいく balance 調整なんかはわかりやすすぎる。てか国内のたいていの RPG で採用されている character の level があがると各種 ability level もあがるという design がおかしいと思うんだけどなー。明らかに人間じゃないよねそれ。いやまぁ人間じゃない player character もいっぱいいるとは思うけど。

えーとハナシを戻すと battle system で出てくる感想は大体以下のものかな。

  • 魔法の熟練度が上がりづらい
    • 武器は装備して殴るだけでそれなりにあがっていくんだけど魔法の場合 MP の消費という前提があるにも関わらず熟練度の上がり方が武器と同じ程度なので相対的にあがりにくい。いやまぁ別にあがらなくても問題ない場合がほとんどなんだけど特定の魔法は level が必要なので延々それだけ唱えるというのもちょっとめんどくさかったというか。現実の model 化がどうのというより game としてどうのという問題だなこれは。
  • 魔法の取捨選択が難しい
    • 初期に必要な魔法を選別しないと前述した問題もあって後半になってもどれも中途半端で使い物にならないという問題が発生する。まぁこれは難易度が高いとか覚えゲーとかでいいのか。必要なのがわかったらその level をあげりゃあいいわけだしな。
  • 物理攻撃は装備頼み
    • 武器の熟練度は攻撃回数と命中率にしか作用しないので序盤の武器だと防御力がちょっと高い相手には攻撃が全く通らないという状況が多々発生する。難易度調整的なものと割り切ってもいいんだけどあまり熟練度まわりを活かせていないような気がする。
  • 防具の意味があまりない
    • 重装備にすると回避率が下がっていい的になる上に通常攻撃に付加される状態異常がけっこうあるので回避重視の軽装備より不利になるという design 。まぁわからなくはないんだけど後半にならないと出てこない状態異常への耐性がある装備をもう少し早めに出すとか防具に覆われている分状態異常ももらいにくくなるとかその重量の分「ちから」が status up しやすいとかもうちょっとあってもよかったと思う。いっそのこと防具に関しても熟練度をもうける ( 重鎧、軽鎧、胸当てで別に熟練度がある ) とかでもおもしろかったかもしれない。
    • これのせいで全国的にフリオニールの露出度が非常に高くなってるんじゃないかと思う。うちは一応初期装備の「かわよろい」だけは着せてました。
  • bug なのか救済措置なのかわからない通称 A ・ B キャンセル
    • これもちょっと判断が難しいんだけど original にあった bug の行動を選ぶと即その行動をしたものとみなされて最終的な熟練度計算が行われるというものが remake の WSC 版にも PS 版にもあるという状況はどう捉えるべきかなー。 remake 版 staff が存在を知らずに同じ bug を作り込んだとは考えづらいし GBA 版ではなくなっているということだからやっぱり戦闘回数少なくても熟練度あがるようにという配慮なのかなぁと思ってしまう。んだけどここで調整するくらいなら他でやればいいのにと思わないでもない。あーだから GBA 版でなくしたのか。もうちょっと早く気付けというハナシ ?

あと難易度のうちに入るのかもしれないけど持てる item の上限が決まっているというのが地味にツライ。特に後半、耐性装備が手に入りはじめたもののまだ回避率が育ちきってなくてでも item 欄がもうない的な状況は正直 battle よりもツラい。預かり所とかないんだよなー。

でまぁオハナシ的には fantasy が前面に出ているわけではない感じで魔法や monster の存在がかろうじてというくらい ? 上記 wikipedia の page には元ネタが Star Wars って書いてあるけどあらすじ的には「帝国の侵略に対抗する組織の戦い」なので多分その通りだと思う。いや Star Wars 見たことないけど。そういう意味では scenario 的にあまり驚きはないかもしれない。細部でアレコレはんー…、まぁ古めの王道といった感じ ?

ただまぁ個人的に帝国の皇帝の考えていることがわからなくてちょっと戸惑ったというか。この皇帝何を目的にして世界征服してんだろうなーと漠然と思ってしまった。もうちょっと帝国内部のハナシとか描かれるのかと思ってたんだけど終わってみて残ってる印象が反抗する対象としての体制の象徴的な image だけという。ここも story が薄いと感じる要因かな。

あーあとワードメモリーシステムはちょっと楽しみだったんだけど今これを改めて見てみるとあまりパッとしないというか、いわゆる情報提供や会話の幅といったものは今出ている RPG では有り余る容量にものを言わせて実現してしまっているので物足りなく感じてしまったというか。これが交渉なんかのようにハナシの流れといったものが存在していて会話の相手を揺さぶったあとに特定の keyword でトドメとか…、てこれは逆転裁判の方向か。えーととりあえず色の違う単語が出てきたら覚えて主要人物に対して総当たりで試すためのものでしかなかったのでこれも発想を活かしきれていない感じがしたというあたり。

最後に、感想としてはやっぱり荒削りという一語につきる。個人的には好きなんだけど現実の model 化や idea が先に立ちすぎていて game としての design まで落とし切れていないという点はある、よな。ただまぁここで系統立てられた魔法や登場人物が後の major series で発展してるとか詰め込まれた idea が魔界塔士から Romancing SaGa を経てきちんと昇華されている歴史を見てしまっているので一言で through できないというアレ。これモノ作りてきな観点から見てもおもしろいかも。