青い文学

anime の青い文学 ( http://www.ntv.co.jp/bungaku/ ) を見てるんだけど普通におもしろい。これ元ネタは単に cover を漫画家に書いてもらったってだけだと思うから anime の方は独自に組み立ててるんだと思うんだけどそれにしてはしっくりきすぎというか character の動かし方とかが元ネタ漫画なんじゃねぇの ? と思うくらいで。以下個別に ( つってもまだ 2 つめのハナシが終わったところなんだけど ) 。

人間失格はなんというか、あまり好きじゃないハナシではあるんだけど堺雅人氏がやっている主人公の声 ( 青い文学は全編通して堺氏が主人公の声をやるらしい ) がはまってる。というか普通にドラマ化したときに堺氏が主人公やればいいじゃないというくらいのアレで。でもまぁなんというか狂気が足りないというか media の関係上原作そのままってのは難しいよなーということになるのか。内容的には「お化け」という表現はまぁしっくりくるひとこないひといるだろうけど人間は作る / 作られるものだという概念よな。概念というかまぁ実際そうなんだけど。でまぁそこらへんを実感 ( not 理解 ) 出来ているとただの苦行になってしまうので読む必要もないというか。そうでなければ反面教師ということで。

で、すげーなと思ったのが桜の森の満開の下なんだけどかなりガタイのいい山賊が堺氏のけっこう細い声でしゃべる違和感を除けばまさに坂口安吾、というかそれ以外がすごいのでその点が目立ってしまうというか。 cover を書いた久保帯人氏っぽいデフォルメとか動かし方とかの画がすごいってのがまずあるんだけどこれ普通に久保氏が制作に関わってるんじゃないかと思うくらいで。あといわゆる放送コードに引っかかる scene には opera ぽく挿入歌が入るんだけどかなり難しい曲のハズなのに演出を加味して歌えてる水樹奈々氏が普通にすごい。最後に、放送コードに引っかからない表現にしてるところと前後している scene があるところ、久保氏ぽい taste を加えてるところを除けばマジ原作準拠。一部台詞とかがそのままだったりしてこれ見た後に原作読むとちょっとどきっとする。

こっちは内容的には「錯誤」というのがひとつの表現かな。もう少し狭めるとうーん記憶混濁とか認識齟齬とかであってるかな。複数の強い刺激を同時に受けたときにそれを認識・記憶する過程で混じり合っちゃったというのがひとつ。最近は過誤記憶というのかな ? あとはわからないものに対しての恐怖とかかなぁ。何が虚で何が実かを確かめることは難しいってかまぁ不可能なんだけど仮定をたてつつこのオハナシを読んでいくといろいろ解釈できてけっこうおもしろい。他にもいろいろあると思うけどとりあえずそんなところで。あー桜に関しては別に宴会なんざやらなくていいから 1 枝あればそれで春度は十分な人です。

あと映画版では山賊が若山富三郎氏で女が岩下志麻氏らしいんだけど ( wikipedia:桜の森の満開の下 ) character design はここらへん参考にしたのかなとか八奈見乗児氏がナレーションやると途端にジャンプっぽさ 5 割り増しだなぁとかけっこうどうでもいい感想も。

でまぁ internet には ( 中略 ) 以下青空文庫の該当作品。