アニメアレコレ

新しいのが始まる季節なのでというかもう始まっているのでいろいろまとめ。たいんだけどまだ前期分をすべてみられていないとかダラダラ書くと長くなってしまうとかの理由で何回かにわける。

  • アニメの cost
    • これは動画全般にいえるのかもしれないんだけど他の娯楽に対して時間の cost が高いなぁと思った。 1.5 倍速とかで短縮は可能なものの固定の時間が取られてしまうので、習熟によっていくらでも時間短縮が可能な読書やゲームと比べると時間面でぜいたくな娯楽なのかなぁという感じ。
    • 関連して何度も繰り返しみるのが前提のメディアなのかもとも最近思うようになった。小説と同じで、例外はあるもののあらすじはそんなに重視されなくて細部の描写や演出を楽しむものなのかなと。おれ自身、というかうちの家系はきちんとみていれば細部のニュアンスまで記憶するみたいなので ( だからほとんどの場合 1 回みてしまったら resource を消去してしまう ) 今までここらへんあんまり意識してなかったんだけど、いつもあの場面を無意識にみてしまうとか時間をおいてみるとまた違う感じがするとかいう文章を読んでるうちにあーそういう楽しみ方があるのかーと思ったり、みるアニメの本数が多くなってくるとやっぱり 1 本 1 本の消化が浅くなってしまってもう一回みなきゃなーとなる ( feed reader による情報氾濫問題とも関連する ) のでやっと上記の本質に気づけたという。
    • ああでも細部が本編的なことは漫画ですでに感じていたことか ( http://d.hatena.ne.jp/janus_wel/20080409/1207749980 ) 。でもこうやってきちんと一般化・自覚してみると取捨選択の際のひとつの軸となる概念かな。単純に「このアニメをみると元気が出てくるかどうか ? 」というような問いを DVD へ焼くかどうかの評価関数に加えるとぐっと楽になりそうだ。他に考えられる評価関数はどんなものがあるかなー ?
    • ここらへんゲーオタ的には娯楽は能動的なもので自身の思考や過去の体験が励起・循環する過程なので、そもそも対象に対する集中度合いが全然違うんだよね。その結果情報の咀嚼もきちんと行われるので消化不良はそうそうおこらないとも言える。あと場面形成に自身の経験や心情が大きく寄与する ( 特に ACT ) ので繰り返しても同じ体験は得づらいというか。受動的なものでもそういった振れ幅はあると思うけど能動的なものの方が幅は大きいはずなので、単純に繰り返すことによっても新たな体験が得られる、といったあたりかな。てかこれも比較対象があったから気づけた事実だなー。やっぱりいろいろ経験することは大切か。
  • ヒャッコ・今日の 5 の 2
    • だら流しするのに最適。ヒャッコは味付けというか絵柄とか歌がちょっと年齢層低めの女性向けっぽいんだけど特にそういうような話題がでるわけでもなく、延々とどうでもいい学園生活を流すアニメ。今日の 5 の 2 は小学生が主役なのでけっこう表現がストレートというかあーうん心の汚いオトナには毒になるよね的な、だけど普通の小学校生活を描くアニメ。なので脳を使わなくて済んだというか。みるアニメが多いと必然的に視聴時間も長くなってたまにこういう cost の低いアニメの存在がありがたくなる。んだけどこれはまだ十分に訓練されてないということなのかな。
    • あと気になったというか浮いてたのはヒャッコの 4 人組の一番おとなしい子の声なんだけどどっかできいたことあると思ったら涼宮ハルヒだった。他は全然大丈夫というか全然わからないし違和感が起きることもなかったのでそういう意味でもみるための cost が低かったというか。
    • 他にはちょっと原作の絵柄もみてみたんだけど、どちらもけっこう pop な感じにしてあるぽいということかな。線がはっきり書かれてて原色で塗り分けられているような感じ。ちょっとおっさんの目には厳しい。ってアニメはみんなそうか。動かすための cost を下げるためにメリハリはっきりつけた輪郭線をちゃんと描くということ、だよね ?
    • ただまぁ、両方とも小難しいこと言ってそうなアニメの合間にだらーっとみてただけなので印象も薄いというか。どんなハナシだったのかサッパリ思い出せない。おもしろかったどうかは…、主観的にはわからないな。全部みたという客観的な事実と最終回後に「あー ? 」と思わなかった点からするとおもしろかったんだろうと思う。
  • 機動戦士ガンダム OO
    • どうも XenoSaga のイメージが出てきちゃうんだけどこれはなんでかな。最初にひっかかったのは曲線で構成されてるんだけど鋭角的なモビルスーツデザインが E.S や A.G.W.S. を連想させたというところなんだけど、最近のハナシで宇宙空間から大量破壊兵器を撃つとか、そのあとに流れる音楽がネピリムの歌声にしか聞こえなかったとか狙ってやってんだろうかと思ってしまう。あと設定もそれっぽいというか無限エネルギー機関だけなら昔からタネはいろいろあるんだけど、他者の心の声を聞くシステムはなんかもうウーヌス・ムンドゥスや集合的無意識しか思い浮かばなくてうーんという。さすがに上位存在は出てこないと思うけどこれが心をつなげるシステムとかだと厨二以前の問題になってしまうよなぁ。
    • たぶんここらへんは全部昔のガンダムのオマージュだとは思うんだけど ( 大量破壊も他者への感応も伝統っちゃ伝統 ) OO は現代世界の未来という設定らしいので、現代技術の延長として考えられる技術でそこらへんを表現しようとすると似通ってしまうということなのかな。いやでもなんかいろいろ無理があるような。… SF ? というくくりにしてしまうと既存のスペースオペラと比較してしまってやはりうぅむとなってしまうな。
    • あと旧ガンダムと比較するとやっぱり人間味が足りないというか魂が感じられないというか義がないように見えるというか。わかりやすいところでは過去の特徴的な言い回しを突然出したり ( 「ダンチ」はげんなりした ) したこととか、戦争ものとしてはコロニー落としや核ミサイル、重粒子砲なんかとよくわからない大量破壊ビームでは覚悟の度合いも背負う責任も違うとか、艦隊戦ていう大喧嘩に対する描写の浅深とか、まぁいろいろ。演出でそうしてるのかもしれないしそれならそれでいいんだけど毒にしかならんよなと思いつつみてる感じ。あーでもまぁアニメやゲームはそもそも毒という考え方もあるからいいのか。
    • ただまわりのハナシを聞くと first season よりおもしろいということらしいのでそれもなんだかなーという。いまどきの中高生がこれを共通体験としてもっていくと思うとちょっとその後を心配してしまったり。てのは昭和世代の悲しい思い上がりか。いまなら他におもしろいモンいっぱいあるだろうし community の細分化と重複所属によって細かい経験共有や他者感応は培われていくハズ。…たぶん。