Enchanted

ディズニー映画、魔法にかけられての原題。見てきた。いやー、久しぶりに面白そうで面白かったディズニー映画だった。最近はしょっぱなから見る気がおきなかったり、見てみてげんなりしたのが多かったんだけどこれはなんつーかみんな見て Enchanted になればいいと思うヨ。

何で見る気になったかというと前情報っていうかどっかで今までのプリンセス像を壊しているとか自虐的とか書かれていて ( どこだったかなぁ、おすぎ氏ではないはず。 LiLiCo 氏というか王様のブランチでだったかもしれない ) あー最近はディズニーも切り売りの時代になっちまったのかなーとか思ってどれくらい厳しいのか怖いもの見たさで覗きにいこうか、みたいな。

で、いざ見てみたら前評判も上々でとくダネの視聴後金額評価では平均 \1550 あたりが出てたんだけど、俺はこれになら \3000 払ってもいいくらい高評価。金額で評価するってのも無粋なんだが映画で定量的なものさしって思いつかんのでこれを使ってしまうんだけど実際問題わかりやすいしなー。まぁレイトショー ( って映画の夜上映って意味は実はないらしいんだけど ) で見たので払ったのは \1200 なんだけども。差し引き \1800 分の俺の気持ちはどこへやればいいんだ。もう一回見に行くとしても差額が二倍になるだけだしなぁ。

後は中身をつらつら書きつつ妄想。とりあえず自虐的というニュアンスは感じなかったな。どちらかというと今までのお姫様の恋に恋する乙女なイメージを真っ向から否定して現実にも素敵な恋はあるよとかそういう方向性。それに加えて Central Park のオペラっつーか大道芸みたいなのが結構凄かったんだけど、あれ現実でも Central Park の真ん中で Amy Adams 氏 ( 英語なので実際はどうなのかわからんのだけど歌うめぇなぁと思った ) がいきなり歌いだせば再現できそうだなーと漠然と感じてしまったのよね。日本でも代々木公園とかに結構な数のパフォーマーがいそうだし、マンハッタンなら余計にありそうだなーとか。で、そこまでで終了してれば良かったんだけど、妄想がそこから飛び立ってしまってアニメだけじゃなくて現実も十分楽しいよ的な日本だと一昔前のメタ視点を邪推してしまったのが悲しいというか何というか。

でもやっぱりおとぎ話なんだよなー。大人の、って限定するわけじゃなく、ちゃんと子供向けしてる。まぁ 12 歳で会社立ち上げる社会つーことを考えるとどちらかというと子供っぽいとさえ思うくらいなのよね。全然基本路線はずしてないし。ていうかお姫様王子様魔女の予定調和。

それにしても表題に関してダブルトリプルで済まない意味が込められていそうで色々妄想できてしまう。 Enchanted = 古きよき王子様との恋にとりつかれたふしぎちゃんという現状提示から、現実の悲喜こもごもや真面目クンの説明による自己分解で魅了状態が解けるフェイズを経て、再び現実を見据えた恋に落ちていく = Enchanted に戻る流れとか、一貫して貫き通されているハッピーエンド ( 脚本上がったときはまだサブプライムの影響で伸びていた時期だろうしなぁ ) = みんな幸せに暮らしたのでしたメソッドの盲目的な支持 = Enchanted とか。

ピッポのジェスチャー ( 1 回目 ) が脳内ホームラン。変わり身の早さとか何言ってるかわかんない鳴き声のかわいさとか全体から漂う滑稽さではなく、ジェスチャー終了時のやりきった表情がポイント。彼は超一流の役者で彼自身もこれ以上の演技はないと思ったはずだ。それが数瞬の表情に表れきっていていい仕事するなぁと思った。

舞踏会でイケメンの兄ちゃんが歌ってた恋人のワルツ ( 正式名称かどうかわからん ? ) っていう曲が良かったんだけどスタッフロール見ても情報わかんなかった。多分見逃したんだと思うんだけど。なんつーか大人…、の曲ではないな、ムーディなんだけど詩の内容はというと高校生的な、ハードウェアの距離はこんなに近いのにソフトウェアの距離はなんでこんなに遠いの的な歌。

歌を歌うヒロインが傷つき成長し敵をやっつけて大団円てところで初代マクロス的なにおいもするんだけど多分勘違いだなー。俺初代マクロスはゲームとか伝聞でしか知らないし。

後はまぁ全体的にいちいち完成度高いので宗教上の理由がない限り見ておくのも損はないかも知んない。